あれから2ヶ月。
モロッコで全力取材(MOROCCO全力取材記 #01〜#11 http://kazetsuboban.com/morocco)してから2ヶ月。
とうとう日本に絨毯が届いた。
長旅お疲れさまです。
4月2日、開封。
緊張の瞬間。
早く見たい気持ちで焦るのと、びちっとした梱包材がなかなかほどけなくて、「見たいのに見れない」という、なんともいえない感じで開封作業を進めた。
こちらの、そのもたついた気持とは裏腹に、梱包材に包まれていた絨毯たちは、堂々とその姿を表した。
「どうだっ」
「じゃじゃーんっ」
という声が聴こえてくるようだった。
また、綺麗に整えられた絨毯の表面からは、あのモロッコで会った織り子さんが、縦糸に色の糸を一本一本結んで織っていくあの淡々とした姿と、そこで聴こえる静かで確かな織る音とともに、手先の指の色や皺まで思い出された。
たくさん織ってくれてありがとうございます。
そして、日本へ届けてくれてありがとうございます。
このプロジェクトすべてに関わる人に感謝したい気持ちになった。
踏んでみた。
新しい絨毯を、踏みしめてみた。
ふかふかだった。
質のよい、心地よいものが表現出来るふかふかさだった。
絨毯が日本へ届くまでの間、『GOSHIMA絨毯』の新作・“Traditional Collection”と“Origin”の完成を伝える、60cm×80cmの大型コンセプトシートを制作していました。メインとなる表の写真は、2月のモロッコで満開だった「アーモンドの木」。日本での桜の開花風景と重ねてわたしたちのモロッコでの感動を皆さんにもお届けしたいと思い、この写真を起用。モロッコと日本が時間と季節を越えてつながる瞬間。
満開の大きなアーモンドの木の写真には、こんな文章を添えた。
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アーモンドの花が満開になる2月の初め頃、 わたしたちはモロッコの大自然の中にいました。
アーモンドの花には、「希望」という花言葉、 木には、青年とお姫様の叶わなかった恋の伝説があるとか。
叶わないことも、叶うことも、 嬉しいことも、悲しいことも、 すべては美しさとして表出してくる。
美しく生きること。
アーモンドの木は、満開の頃、その意味をうすピンクの色とともに私たちに見せてくれました。
(GOSHIMA Carpets spring 2016 / Traditional Collection,Origin 大型コンセプトシートより)
ひとの支えになるもの。
だれかの役にたつもの。
人生に必要とされる、そんな絨毯を作りたかった。
入荷したての「Traditional Collection,Origin/意思のあるじゅうたん」は、4月9日〜GOSHIMA Collectionで開催される展示会にて御覧いただけます。そして、私たちはMOROCCO全力取材記に続き、売り場全力取材とともに、いよいよ自分たちの手でも販売を始めたいと思います。
是非、このウェブサイトとともに、会場へも渾身の新作に会いに来てください。
『GOSHIMA絨毯Collection展』 〜Traditional Collection発表会〜
4月9日〜4月24日 10:00~19:00 会期中無休 会場:インテリアショップボーデコール特設展示場http://www.sps-i.jp/event/20160409_BD/index.html
GOSHIMA Carpets spring 2016 Traditional Collection,Origin/Large concept sheet
Issue : sanpousha
director : Masato Imai,Takayuki Matsuzawa(sanpousha)
art director : Akane Kobayashi(Bridge)
illust,text : Akane Kobayashi(Bridge)
photo : Tooru Takahashi(tumuzigrafica)
design,edit : Kaze no Tsubo to Rashinban
会場の展示を終えて「大丈夫」と確信した。
世界中探しても、きっとこんなに人間味溢れるデザインの絨毯はないと思う。
日本の、新潟の、秋葉区のインテリアショップの一角の展示場にのみ、一枚一枚丁寧に展示されて存在しています。
この始まりの瞬間がとっても愛おしい。
photo : Toru Takahashi
text : Akane Kobayashi