新潟市内から車で約1時間半。
売り場全力取材記の舞台は、福島県猪苗代町へ。
磐梯山が「やあ、いらっしゃい」と迎えてくれる。
磐梯山は、かっこいい。
春から夏は雄大で懐深く、冬は厳しくちょっと尖った印象がする。
高速から磐梯山が見えると、ちょっと緊張。
新潟から猪苗代へ向かう途中の“三川”や“津川”や“西会津”の自然の風景も、なんだか泣けるぐらいにぐっとくる。渋い、ほんとうの自然の色をしている。
会場は、グリーンライフさんの2階にプレオープンした「Roots Shop」。
三方舎さんがプロデュースしたお店。
グリーンライフさんは工務店。
“樹齢150年以上のカナダのレッドシーダーで耐久性のあるログハウスとティンバーフレームや、健康を害したり、長持ちしない建材を徹底邸に排除した「0宣言の家」づくりを全国に展開しています。”
というところから始まって、
“グリーンライフは、1990 年より、人間の生活の中心となる「家」 に注力し、本当に良い「本物の家」を追求し続けてきました。
2016年、グリーンライフは、今までの 25 年間積み重ねてきた経験と実績を源(根)とし、Roots(ルーツ)という新たなブランドの下に、本当に良い「本物の家」だけではなく、「家」を中心 とした豊かな「暮らし」も提案できる企業へとステップアップしていきます。 ”
というかたちで発展し、「Roots」というブランドが立ちあがりました。
家を建てるだけではなく、その家とともにある暮らしも提案していく。
それはすごく素晴らしいし、すごく面白そう。
デザインも、建築も、完成は終わりじゃなくて始まりだ。
そして、その続きは、使う人たちに託される。だから、その「続き」についても責任があるし、伝えていくことは作り手・売り手の使命のようにも思う。
そして、その「続き」というのは「環境」なんだと思う。
個々の人生だってきっとそう。「私」という人間は、その周りを取り巻く環境によってずいぶんと物語のいく末が変わっていくだろうし、いつだって、その物語の主人公は自分自身であり、誰と出会って、どんな生活をしていくのか、良いことも、嫌なことも、すべてはそのひとつの物語の中にある。
物語の背景=「環境」をつくっていくこと。
それは「ロマン」を描くことに繋がる気がする。
最近気になるキーワード、「ロマン」。
ロマンとは、“感情的、理想的に物事をとらえること”とあった。
会場では、家を建てたという方、もうすぐ建つという方、いつか建てたいという方、それぞれに「家」とか「居場所」というものについて具体的に考えている方が多くいらっしゃった。
誰だってそうだと思うけど、自身を置く空間については、その質の高低に関係なく、少なからずともこだわりがあるだろうし、どんな「家」や「居場所」にいたいかに思いを馳せることは、希望だと思う。
例えば、
「家は、舞台。」
「家具は、装置。」
「人は、役者。」
と、してみる。
そうすると、
絨毯は「装置」。
物語のいく末を見守るもの。
ときには、いく末を示すもの。
そして、
絨毯は「環境」。
家族や、自身の記憶となっていくもの。
それが発する色や、心地よさは目には見えない思い出。
その心地よさとともに生活がある。
Roots Shopは、グリーンライフさんが運営する「Roots」というブランドのショールームの2階にある。そこは、必然的に「家」について感じることがある場だし、自分にとって「家」とは何か、を考えてみるきっかけになる場でもある。
たしかに「家」も「絨毯」も価格は高い。
実際に購入を検討するとなれば、いろいろと具体的に考えなくてはいけないことが多くて大変かもしれない。欲しい!と思う気持ちと、現実の狭間で、じたばたしてしまうかもしれない。何より、これはほうんとうに必要なのか?と考える。大金を出して手に入れる価値があるのか?と考える。
お金ってなんだろう。とよく思う。
あの紙と金属の塊は一体なんなのか。とよく思う。
というのはひとまず置いといて。
まず理想を描いてみる、っていうことは単純にワクワクする作業だ。
「家」や「絨毯」を買う、ということを考えていくと、これからの人生がどうありたいのかについてきちんと考えることに繋がるし、また、もののよしあしについても勉強していく気持ちが深まるはず。
いつか建てたい家がある。
すでに理想の家のイメージはできている。
それが描けるようになったのは、きっと、色んなひとに出会って、色んなモノが世の中にあるということを知って、まだまだ知らないことがたくさんあるんだということもわかってきて、社会への不満や、満足感や、希望やらなんやらが入り交じって見えてきたからだと思う。
精神的・肉体的にも、何かの転機が訪れた時にほど、大きなものへ焦点が定まるような気がしたし、家やインテリアや道具について考えることは自分を知ることに繋がるような気がした。
まずは、まだ出会ったことのないモノに出会ってその良いところを知ってみること。
触れたことのない感触を確かめてみること。
素材の名前や、その加工方法について学ぶこと。
この売り場には、今の自分の世界を広げてくれるものや人がたくさんあって、すべては「知る」ということから始まるんだということも教えてくれる。
売り場は、モノを買うため・売るためだけの場所ではなく、伝える・教えてもらうための場所。家・薪ストーブ・絨毯・手づくりの品々に触れて、訪れるお客様の心が踊っているのがわかる。
家という舞台に立つのは「私」。
その「私」はどんな装置とともに、どんな小道具を使って、物語を進めようか。
猪苗代・Rootsの森のなかで、風や雨の音に耳を澄ませ、天気によって変わる緑の色を日々確かめながら、「環境」について考えている。
もうすぐ、モロッコから、GOSHIMA絨毯のサードクオリティ「Origin」が入荷してくる。
photo:Tooru Takahashi
Text:Akane Kobayashi
「Roots Shop」 / Roots猪苗代 info.
〒969-3101 福島県耶麻郡猪苗代町字清水前2748-1
Roots猪苗代(グリーンライフ猪苗代本社)2階
10:00→18:00
◎プレオープン
4/29 fri – 5/8 sun
(※プレオープン中無休)
◎グランドオープン
5/21 sat – 6/5 sun
(※グランドオープン中は水曜定休)
6/6 mon 以降:金・土・日・月・祝日のみ営業
managemented by greenlife
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produced by sanpousha
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