GOSHIMA絨毯・新作「Traditional Collectionー意思のある絨毯ー」発表会、初日。
約1週間の展示準備を終えて、いよいよオープン。
1階に展示された気品溢れるRoyal Collectionに触れ、2階へ上がる階段を一段一段のぼってくると、満開のアーモンドの花が迎えてくれる。
この会場に足を運んでくれるお客様を、2月のモロッコで記録した大きなアーモンドの花の写真でお迎えしたい。
それは、GOSHIMA絨毯の新作の発表とともに、これから展開される世界観の新たな門出を祝福するような気持ちを、より多くのひとに共有して欲しいと思ったからだった。
そして、地道にひと結びひと結びして「絨毯」を作ってくれた織り子さんに対する敬意を表し、小さなサイズの写真パーツをタイル状に並べ、ひとつの画面を作った。会場は、どこを見ても、どこに立っても、愛おしい手作業のエネルギーで満ちている。
大きな写真越しに展示したのは、「アーモンドの木」の柄の絨毯。
プロローグでも書いたように、
ひとの支えになるもの、誰かの役に立つもの、人生に必要とされる、
絨毯のデザインがそういう役割を持ったものをつくりたいと思った。
自然豊かなモロッコの大地の恵みから、私たちは何かを学びとり、後世に伝えていく、ということを「Traditional Collection」のすべてに繋がるコンセプトとした。そして、絨毯が、ただのインテリアのひとつとしてではなく、意思をもって語りかけてくるような、ある一枚の絨毯を所有することから人生がさらに面白くなっていく、そんな新たな視点をもたせることも軸においた。
どうしてそんな小難しいことを言うのか。
どうしてそんなに深く考えたがるのか。
可愛ければいいじゃないか。
綺麗であればいいじゃないか。
そして、もっと安かったらいいじゃないか。
だめ。
それじゃだめなんです。
もうこれ以上この世に無駄なものはいらない。
いや、無駄なものなんてないのかもしれない。
大量に作ることだって大事だよね。
いや、だめ。
ほんとうに必要とされるものを作りたい。
と、曖昧になりそうな心が行ったり来たりしながら、何種類ものデザインを2ヶ月ほどかけて作った。物事は集中していくと、どんどん細く濃い色をしていく。そして、それは揺るぎない自信となっていく。
デザイン会議は三方舎さんと共に進められた。
もともとこの絨毯の販売元である、三方舎さんという会社は、代表の今井さんとスタッフの松澤さんで、日本各地へ絨毯をもって販売をしている。
もちろん、販売だけではなく、モロッコでつくることのプロジェクトも動かしている。
システムを作って、販売する。
この大掛かりなことをほんとうに僅かな人数でやっている。
三方舎さんは、大きな会社、企業、ではないけれど、やっていることはかなりダイナミックだし、力強くて、厳しさのなかに人間味が溢れて温かい。
それには、確固たる理念と、経験と、資本とそれを次に繋げるちからがあるからだと思っている。そして、それは、昨日・今日でできたことではなく、10何年の月日と共に積み重ねられてきたこと。
これも、会場に散りばめた、絨毯が出来ていく手作業の風景と重なっていく。
三方舎さんと考えてきた新作のデザイン。
モロッコの素晴らしい景色をデザイン化していくときに、「アーモンドの木」が候補にあがる。でも、木のモチーフなんてこの世の中にたくさんあるし、ありふれたものにならないか。今一度、改めて「木」について考えてみた。
最初に、
「命の誕生/家を建てる/成長を祝う/支える/日陰/守る」
というキーワードをだした。
そこに、アーモンドの花言葉の「希望」を重ねていく。
そして「絨毯」というもの。
この絨毯に描かれている「木」は、確かに「木」ではあるけれど、「木」というもののかたちをした「メッセージ」なのだと思う。
「希望」を表す絨毯。
とは言っても、実際、「この絨毯は希望なのよ」というのはちょっと恥ずかしい。
なに言ってんの、絨毯でしょ。という話である。
だからもっと軽やかにならないかな。
そう考えていったときに、「希望」が「希望」としてだけではなく、「歌」のように奏でられるものであったらいいなと思った。
いつでもご機嫌な鼻歌が絨毯から聴こえて来たら、毎日ご機嫌に楽しいだろうし、とっても悲しいことがあったときでもこのアーモンドの木に寄り添えば、きっと遠くからご機嫌な歌が聴こえてくる。
「ご機嫌で暮らしてね。」
と、子どもたちに明るく伝えたい。
「この世の中をご機嫌にしてね。」
と、次世代に笑って伝えたい。
そんな、ちょっと言いにくい、伝わりにくいことを。絨毯に託す。
______
次の世代に私たちは何を残せるだろうか、と考えることがあります。
残すものはできれば明るいほうがいい。
人生の素晴らしさを教え伝えていくこと。
希望を繋いでいくこと。
だけれど、そういうことはなかなか口では言えないものです。
だから、長く使えるモノにそのメッセージを込める。
使う人にかわって、代々残していける思いを作りました。
生まれたての命にも、ずいぶん生きた命にも、繋げていきたいことがあります。
「こんにちは」も、「さようなら」も、等しく希望があるということ。
私の次に生きる人へ、記憶とともに残せるように。
アーモンドの木の力を借りて、言葉では伝えきれないことを。
鳥とともに歌を唄うように。
軽やかに気持ちを贈ります。
(会場キャンプションより)
______________
こうなってくると、もはや、「木」というもののかたちをした絵柄が「メッセージ」となった「絨毯」である。
ちょっとややこしい。
けど、ほんとうにそうだな、と思った。
なくてはならないものであって欲しい。
この絨毯のオーナーとなる人々、次のオーナーになる人々の人生が、いつだってご機嫌であって欲しい。
アーモンドの木の柄は、私の次に繋がるひとへの愛情。
希望は循環する。
アーモンドの絵柄の絨毯に短い言葉を添えた。
“ アーモンドの木に咲く花からは、希望の歌が聴こえる
花は散り、宙を舞って、土に還る
そうしたら、
今度は土から希望の歌が聴こえてきた
しばらくすると、
土を潤す水に溶けて
今度は大地の下から歌がかすかに聴こえてくる
まわりまわって
また花が咲く頃
希望の歌となって鳥のさえずりとともに風に乗り
どこからともなく聴こえてくる”
生活に、人生に、時間に、心に、
アーモンドの木に咲く花から奏でられる希望の歌を。
photo : Toru Takahashi
text : Akane Kobayashi
【展示会のご案内】開催中!!
『GOSHIMA絨毯Collection展』
〜Traditional Collection発表会〜
4月9日〜4月24日
10:00~19:00
会期中無休
会場:インテリアショップボーデコール特設展示場
http://www.sps-i.jp/event/20160409_BD/index.html
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